信楽の小高い丘の上に文五郎窯があります。文五郎窯では、代々、その時代の要請に合わせて壷、火鉢、植木鉢、風呂釜、食器などの日用雑記を作ってこられました。現在、文五郎窯は、お兄様とお二人で運営されており、跡継ぎのお兄様(文悟さん)は大物陶器、奥田さんは小物陶器をすべて手作で作製されいます。
奥田さんは、26歳の時、信楽に戻りエンジニアから作家の道に転身されました。奥田さんの器は、『手間がかかても良いもの、今の時代に合ったもの』という信念で器を作っておられます。奥田さんが作られる器は、洋室・和室にも合うスタイリッシュで、モダンな器たちです。
奥田さんの器に対する姿勢は、何事にも前向きでエネルギッシュな方です。使う人のことを考えながら、伝統を守りながらも時代に合わせていろいろ工夫をされています。通常、2度焼くところを3回焼かれたり、粉引のお皿は、シミができやすく扱いが難しいため、シミ止めを施してから出荷。また、粉引のお皿に天ぷらなどを盛るとシミがつきやすいため、リバーシブル皿を考案などと・・・使い手の気持ちになって使いやすいように気配りされています。